ようこそ、
                    Swiss railways galleryへ。

このコーナーでは私が見てきたスイスの鉄道について紹介していきたいと思います。
スイスの鉄道というと、氷河急行や登山鉄道など、アルプスの山岳鉄道がイメージされがちですが、山間地域だけでなく、なだらかな平原や、湖のほとり、ぶどう畑の広がる丘、そして山間部、高地と実に様々な地形の中を国鉄(SBB CFF FFS)をはじめ60あまりの私鉄が走っています。

チューリヒ(Zurich)ジュネーブ(Geneve)バーゼル(Basel)ベルン(Bern)といった主要都市の中央駅には各国の車両で組成された長大編成の国際列車がひっきりなしに発着し、その中に時折CIS(チザルピーノ)ICETGVといった各国の高速列車が姿を見せます。このような国際列車の編成中には当然のように食堂車や自転車専用車が連結され、見ていて飽きません。
また、各国を結ぶ幹線には旅客列車と同じように国際貨物列車が数多く設定されています。海上コンテナばかりの列車、トラックの荷台をそのまま台車に載せて運ぶ編成、またHUPACというトラックをそのまま運転手も一緒に運ぶ列車、新車の乗用車を運ぶ編成やタンカー列車などそのレパートリーは枚挙に暇がありません。

国際列車の他にも国内貨物輸送も主に鉄道が担っているのは日本にはないスイスの鉄道の特徴です。中規模以上の駅には必ず貨物扱いスペースがあり、多くの駅から近隣の工場に専用線が延びています。そして郵便輸送も列車で行っています。このあたりは一昔前の日本を見ているようです。しかしなぜ日本で衰退してしまった鉄道貨物輸送がスイスでは今なお続いているのでしょうか。
その答えの1つは国内における鉄道の位置付けです。スイスの交通の基幹は鉄道である、という施策が根幹にあります。この施策のもとにアルプトランジット計画バーン2000計画が進行し、地方私鉄も行政の支援を受けて運行しています。鉄道のないところでもポストバスとよばれるスイスの郵政が運行するバスがくまなくアクセスしていて、それらは驚くほど正確なダイヤのもとに運転されています。国鉄と私鉄、そしてポストバスやトラムなどの公共交通が互いに補完しあって「スイス トラベル システム」という優れた交通体系を作り上げているのです。(時刻表もスイス国内のあらゆる鉄道が1冊にまとまっている。)また貨物輸送に関して言えば、日本には沿岸部に工業地帯が立地していますが海のないスイスでは鉄道沿線に多く工場が立地しています。これは私が見ていて思ったことなので確かなことはいえませんが、スイスという国の地理的条件が鉄道の発達に少なからず寄与しているのではないかと思います。
平地から山岳地帯までくまなくめぐらされたスイスの鉄道。なかには良くぞこんなところに線路を引いてくれた、と乗っていてつい嬉しくなってしまうようなところもあります。

今回私は国鉄と、BLS(レッチェベルク鉄道)そして氷河急行で有名なマッターホルン・ゴットハルト鉄道を訪れてきました。その中で見てきたものを撮影地をベースに紹介していこうと思います。それではすばらしきスイスの鉄道をごゆっくりお楽しみください。                           
参考文献 スイスの鉄道/長真弓/JTB/2003年

                

*上の地図にはIC、IRが運転されている国鉄路線と、一部の私鉄が掲載されています。実際には地図が読めなくなるほどの路線がありますが、ここでは割愛してあります。スイスの鉄道はここで挙げた長さんの著作が大変詳しいので是非参考にしてください。このページでスイスの鉄道に  興味をもたれた方は、ご一読することをおすすめします。
 *地図上のひとまわり大きく示された都市、街が今回私が訪れた撮影地です。そこにあわせて示した数字の順に訪ねました。各ページには地図上の地名をクリックすることで自由に行くことができますが、番号順にまわると見やすいかもしれません。
 *上記地図はイメージです。縮尺や経緯度は実際とはやや異なります。目安としてみてください


 

 

inserted by FC2 system