Swiss3 - Wassen


              3 Wassen  
 ヴァッセン駅前のバス停から徒歩で10分弱、いよいよお立ち台に。着くとまもなく長大貨物列車が目前を通過、列車の本数は想像を絶する多さ。貨物列車にはドイツ〜スイス〜イタリア間の国際列車が多い。週末から月曜日は本数が激減するので注意。貨物列車は上下とも基本はRe4/4URe6/6の重連、峠を登る列車には場合によって後補機が付くこともある。旅客列車はRe460Re4/4U牽引の客車列車(ICと区間準急)が日中1時間あたり上下1本ずつ、CIS(チサルピーノ)は1日上下各4本ずつ。
種類 ゲシュネン方面 エルストフェルト方面
旅客 IC 1本 1本
区準 1本 1本
CIS 14:29 13:38
貨物 3〜6本 3〜6本
平日午後14〜15時代の列車本数
(2003年7月22日のデータ)
Wassen(ヴァッセン)
 ヨーロッパ鉄道撮影シーンにおいて最も有名なポイントの1つがここヴァッセン。ゴッタルド峠越えに挑む列車が2500m超級の山々に囲まれた谷をReuss川に沿って登っていく。今ヴァッセン駅は廃止され、鉄道利用の場合はSBB(国鉄)のErstfeld(エルストフェルト)か、Göschenen(ゲシュネン)からのバスが便利。
*バスは1時間毎、所要時間はそれぞれの駅から32分、8分。私が撮影したお立ち台ポイントへはWassen SBBバス停(旧ヴァッセン駅前)が最も便利。バスは両駅を結ぶ。時刻はSBB Travel Onlineのウェブページで。このページではスイス全国の鉄道、バスの乗継検索、各駅の時刻表検索が可能。
Car Sleeper
Re4/4U重連
2003.7.22
13:22
 全く予想しなかった列車が背後から登場。寝台車を連ねその後ろには長く続く車運車の行列。小さい頃鉄道図鑑で見かけた「カースリーパー」が思い出された。赤いRe4/4Uの重連がバカンス帰りの旅行者を運ぶ。車運車の1階部分にマイカーが行儀よく並んでいる。日本ではいつしか消えてしまったカートレイン。この国には息づいている。
CISALPINO
CIS154
2003.7.22
13:38
 イタリア・ミラノ(11:10)発スイス・チューリヒ経由、ドイツ・シュツットガルト(17:58)行きチサルピーノ154列車。ゴッタルド峠を越えて列車は滑らかに下りカーブを行く。よく見ると車両はカーブの内側に傾斜している。この車両はETR470系。制御振子装置を備えた9両固定編成、イタリアの車両だ。この車両のことを地元のファンは「ペンドリーノ」(=イタリア語で振り子)と呼んでいた。
Re4/4U Re6/6
2003.7.22
13:45
 長大コンテナ貨車を連ね重連貨物列車がやってきた。次位のRe6/6はRe4/4Uをさらに強化した機関車。Re4/4UやRe6/6には緑色の車両と赤色の車両がある。緑の車両は数少ない。
    Re4/4U(Re420) 276両製造274両在籍
    Re6/6  (Re620)  89両製造 88両在籍
1569
Re460
2003.7.22
13:51
 貨物列車のラッシュの中時折姿を見せる旅客列車。
 チューリヒ発キアッソ(Chiasso)行き。区間準急といったクラス。
 牽引機はRe460型。登場からすでに11年が経つがそのデザインは少しも年月を感じさせない。細部にまで気が配られたこのデザインは著名なデザイナー、ピニン・ファリーナ氏によるもの。車体すそには彼のサインが控えめに記されている。またこの機関車には1両毎に愛称がある。
1569
 Re4/4URe460

2003.7.22
13:55
 上の写真と同じ列車。お立ち台ポイントを通過した列車は、大きく弧を描いてトンネルをくぐり旧ヴァッセン駅を通過、北へ向かい、また大きくカーブ、そしてお立ち台ポイントから真東に位置する石橋を渡ってゲシュネンに向かう。高低差はいったい何mになるのだろうか。スイスにはよくこんなところに線路を…と思わせるポイントが多々存在する。しかしこうした先人の苦労によって敷かれたゴッタルド越えの線路にも変化が訪れようとしている。今ゴッタルド峠ではアルプトランジット計画が進行中なのだ。エルストフェルトから峠を超えたビアスカ(Biasca)までの57kmに及ぶトンネル(2012年開通予定)をはじめ3本の基底トンネルによって年間輸送量を現在の2000万tから倍の4000万tへ増加させようというもの。3本の全通時(2016年)にはヴァッセンの様子も大きく変わるだろう。
Re4/4U Re6/6
SBB cargo塗装機

2003.7.22
14:00
 日本では1985年、国鉄民営化に伴い6の旅客鉄道会社と1つの貨物鉄道会社に分割されたが、最近スイスでも貨物鉄道会社の分社化が図られた。それに伴い、機関車にもそれまでの塗装とは異なる貨物会社塗装が施されたものが登場した。これはその重連。まだそう両数が多くなく、なかなか珍しいかもしれない。貨物機には2002年からDB(ドイツ鉄道)の185型と同型のRe482が登場。従来機の将来はどうなるのだろうか。
Re4/4U
2003.7.22
14:02
 きれいに晴れ渡った谷あいに様々な貨車のリズミカルな走行音がReuss川のせせらぎとともに響く。ヨーロッパの貨車はとても興味深い。今回は十分にその構造を見るという機会はなかったが、用途に応じて様々に発達していることはうかがい知れた。写真一番手前の有蓋車は2両1組。ひょっとしたら連接構造だったかもしれない。実際連接構造の貨車はとてもよく見かけた。
Re6/6 Re4/4U
SBB cargo塗装機

2003.7.22
14:21
 次はカーゴ機と緑機のコンビネーション。陽のあたり方も申し分ない。1時間もいるとようやく要領もつかめ、余裕が出てきた。
CISALPINO
CIS155
2003.7.22
14:29
 このポイントのすぐ近くには民家が一軒ある。スイス国旗を掲げたきれいな建物が線路際に建っていた。そこのおじいさんが小さなデジカメを片手に丘の上にやってきた。もうすぐペンドリーノがやってくると教えてくれる。そしてその数分後、真っ白な車体をティルトさせてミラノ行きがやって来た。先ほどのチサルピーノと異なる赤帯が目立つ。
Re4/4U Re6/6
2003.7.22
15:00
 今まで本やインターネットでしか見られなかった列車が次々に目の前を通り過ぎていく。その圧倒的なロケーションの中を行く列車は本当にその眼で見る価値のあるものだった。
 今度は赤一色の美しい編成の貨物列車。この列車を皮切りにこの後同一方向に長大編成の貨物列車が5分おきに4本連続する。やはり行って初めて知る発見は多い。
Re6/6 Re4/4U
2003.7.22
15:05
 上の列車の5分後、緑のRe6/6が先頭に立つ列車が通過。Re6/6は88両在籍するが、緑塗装は20両と少数派。Re4/4Uの緑塗装機は274両中31両。なかなか緑同士の重連を目にすることはは難しい。
Re6/6
Re4/4U(RM車)
2003.7.22
15:10
 そしてまた5分後、次もまた今までに見たことのない組み合わせの列車がやって来た。次位はRM(Regionalverkehr Mittelland)ミッテルラント地方交通の所有車。どういう運用になっているのかわからないが、1本として同じ列車がこないのがスイスの貨物列車のおもしろさではないかなと感じた。
IC255 VERDI
WILHELM-TELL EXP

Re460 DiePost広告機
2003.7.22
15:46
 バーゼル発、チューリヒ、キアッソ経由、ミラノ行きIC。スイスのICには列車名の付与されているものも多い。この列車にはイタリアの歌劇作曲家ヴェルディの名前が与えられている。またチューリヒからキアッソまでは伝説で有名なウィリアム・テルエクスプレスとして走る、ダブルネーム列車。牽引機は数あるRe460広告機シリーズのうち郵便局のラッピングが施されている車両。機次位はパノラマワゴン。途中Flüelen〜Luganoで連結される。
IC252 TICINO
Re460 063号機
2003.7.22
16:20
 ヴァッセン最後はトンネルを飛び出しカーブを行くSBBのエースRe460をアップで。どこから見ても秀逸なデザイン。広告機が可能なのも側面にルーバーや窓がないためだろう。列車はバーゼルを目指す。

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